2022年1月 大授コンプライアンスニュース No.1

2022.01.12
  • コンプライアンスニュース

大授会員の皆さまへ

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

障がい者施設の生産活動に関係する法律、条令、規範、規則等をはじめ、会員の皆さまの業務のお役に立つ情報を「大授コンプライアンスニュース」として毎月1回、会員専用ページの掲示板に掲載させていただきます。ご参考にしていただければ幸いです。

1.原料原産地表示の義務化について

①内容

2017年9月1日に、全ての加工食品を対象とした「新たな加工食品の原料原産地表示制度」がスタートしました。この新たな制度の下では、国内で作られた加工食品について、重量割合上位1位の原材料の原産地等を表示することが義務づけられています。

②原料原産地表示の基本ルール

  • 重量割合上位1位の原材料が生鮮食品の場合⇒「原産地」を表示(例:国産)
  • 重量割合上位1位の原材料が加工食品の場合⇒「製造地」を表示(例:国内製造)

③完全施行日

2022年4月1日

④加工食品の原料原産地表示制度について

加工食品の原料原産地表示制度について(農林水産省)

◆施行日以降、原料原産地表示がない商品は、販売することができません。
2022年3月31日までに、原料原産地表示の変更が完了するよう、関係施設に対して、説明および指導をお願いいたします。

2.デジタルツールを活用した食品表示の実証調査について

①調査の背景

食品表示は、食品を摂取する際の安全性の確保及び消費者の自主的かつ合理的な食品の選択の機会の確保に関し、重要な役割を果たしています。しかし、現在、食品表示の表示事項が増え、消費者にとって表示が見づらく、活用しづらいという問題点が指摘されています。

消費者庁では、こうした状況を踏まえて、デジタルツールを活用することで、消費者にとって読みやすくわかりやすい食品表示を実現できないか検討するため、2020年度に「アプリケーションを活用した食品表示実証調査事業」を実施、その結果、実証参加者の7割以上が「今後もアプリを継続したい」と回答したことを踏まえ、2021年度にスマートフォンのアプリケーション機能を拡充した本格的な実証調査を実施しました。

②実証期間・店舗

2021年11/24~12/2(9日間) イオンスタイル有明ガーデン
2021年12/6~12/14(9日間) イオンスタイル幕張新都心

③実証事業の内容

  1. 食品業界最大の商品情報サービス事業者が保有する食品表示データを一元的に提供
  2. 実証用データベースを構築し、提供された食品表示データを格納
  3. 実証用スマートフォンアプリを構築し、インストール済みのスマホ端末を消費者に貸与
  4. 消費者は、商品のバーコードをスキャンし、格納された食品表示データをアプリで確認

④2022年度以降の取り組み

2021年度の調査結果を踏まえ、官民が連携して、食品関連事業者等における食品表示データの管理方法について検討する予定です。消費者庁では、将来的には、現在、容器包装上に表示することが定められている食品表示を、デジタルツールで代替することを検討しています。デジタルツールによって、見やすい食品表示、活用される食品表示を目指しています。

【デジタルツールによる見やすい食品表示例】

  • スマホ端末に、見たい・知りたい情報を事前に登録することができる
  • アプリでバーコードをスキャンすると、事前に登録した見たい・知りたい情報の順番に表示が並び替わる
  • 文字サイズも自由に調整できる
  • 表示をボタン操作で展開・格納することができる

【デジタルツールによる活用される食品表示例】

  • 事前にアレルギー情報を登録した場合、アレルギ―物質をピクトグラムを使用して、視覚的に見やすく表示するとともに、アラートが鳴り、見落としを防止する
  • 登録したアレルギー物質を含まない類似商品を提案することで、他の商品の選択の幅が広がる
  • 事前に健康目標を登録すると、1日当たりの摂取基準量に対し、該当商品の摂取量が表示され、健康づくりに役立てることができる
  • 食品に含まれる食品添加物について、その場でタップすることで、添加物の役割が表示され、理解した上で購入することができる

⑤デジタルツールを活用した食品表示実証調査

デジタルツールを活用した食品表示実証調査(消費者庁食品表示企画課)

◆食品表示がデジタルツールで代替えできるようになると、消費者の食品表示に対する様々なニーズに対応することが可能となりますが、実現するためには、まず、食品関連事業者等が管理している食品表示データを標準化する必要があります。 障がい者施設商品も例外ではなく、対応が必要になってきます。施行自体は、まだ先の話になりますが、そのような動きがあることを知っていただきたいと思います。

1月度のコンプライアンスニュースを最後までお読みいただき、ありがとうございました。
オミクロン株の感染が拡大してまいりました。皆さま、くれぐれもご自愛くださいませ。

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